本当は…

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  正直彼の発言に怯んだ。 なんなんですか… あなたって人は…可愛い過ぎますよ…   「いや…僕の物ですって……」     「違う……このハンカチは………俺の事を想ってくれる奴の……」     彼はそう言ったまま、俯いてしまった。     「そうですか。なら、それ本当は僕の物ですけど…もう、あげます。今度こそ、さよなら…………!?」   扉に向かい歩き始めた僕の身体は、後ろから衝撃と共に強い力に包み込まれ、動きを止めた。   「キョン……君?」   確かに計画の上での行動ではあったのだが、この行動は想定外で僕は驚きを隠せなかった。     「もう……俺はお前の恋人には……なれないのか………?」   強い腕の力とはうってかわって、彼の紡ぐ言葉はあまりにも弱々しかった。     「何を言っているんですか……?」   「俺は……お前じゃなきゃ………古泉じゃなきゃ………っ……」   「キョン君………」   僕まで泣きそうになってしまった。 僕に泣きつく彼が、愛しくて仕方がなかった。     「なぁ……も一回……恋人としてハンカチを持ってくれよ……?それが……古泉の中の……俺を……示してくれる……んだ……っ…ぉ願い……だからっ」 必死に懇願するキョン君を見て、僕は酷い罪悪感にとらわれた。 そして、自己嫌悪した。   ――なぜ、こうしなきゃキョン君からの愛を確認することができなかったのだろう…
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