46人が本棚に入れています
本棚に追加
「そっか」
「そうですよ。…そういえばキョン君」
「ん?」
「泣き終わりましたか?」
僕はニコっと彼に問った。
「ばっ…泣いてねぇーよ!」
彼は勢いよく僕の胸元から離れ、怒鳴ってきた。
しかし彼の言葉とは裏腹に、僕の制服は彼の涙で濡れていた。
「シミ、できちゃいました」
「お前の、涎だろっ」
…………。
キョン君、それは流石に無理がありますよ。
「はは、そうでしたか」
――まぁ、いいでしょう。
この涙は、僕のために流れた涙だと思うと、不思議と彼の涎発言も全然気になりはしなかった。
「脱げ」
「へ?何ですか、唐突に…」
「脱げってばっ」
「そんなに早まらなくても……あっ、でもキョン君が積極的な時こそ、ヤってしまうべきなのでしょうか!」
「っばか!ちげーっての!……クリーニング、出しとくから」
これ変わりに着てろ、とキョン君のブレザーが僕にわたってきた。
「いいですよ、そのうち乾きますし…それに何より、キョン君の涙つきブレザーなんてレアものじゃないですか」
「んのっ!変態変人助平野郎!! 」
「…僕…オカシイ人みたいです」
「充分おかしいだろ?」
「キョン君の前では♪」
最初のコメントを投稿しよう!