46人が本棚に入れています
本棚に追加
「悪いな、古泉。俺あんまお前のこと好きじゃないみたいだ」
もう少しで新学期も始まる4月の頭、僕は恋人であるキョン君に呼び出され、昼の屋上にやってきていた。
扉を開けて暖かな風を浴び、その心地よさに浸りつつ、呼び出し主の元へと歩いた。
来てから結構時間が経っていたのか、彼は陽に当たりながら、寝転がって僕を待っていた。
彼は僕が来たのを確認すると、上体を起こし、わざわざここまで悪かったな、と言って立ち上がり僕の方に向かって歩いてきた。
そして急に、恋人である僕を好きではない、と言ってきたのだった。
――…ほう、そういうことですか。
そういえば今日はエイプリルフールだったということを思い出し、僕は僅かに口元を緩ませた。
その時、僕のイタズラ心が動いた。
最初のコメントを投稿しよう!