只今随時逃走中!

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「グルァアアァルァグアァァア~~!」 ベルーダは頑張って現在逃走中の俺に業を煮やしたのか、聞くだけで体の力が抜けてしまいそうな程、恐ろしい叫び声をあげた… ちょ!マジで怖いっす! バサバサバサバサ… ベルーダの叫び声に恐怖したのか、木々に止まっていた鳥達も慌てて飛び立った 「うわぁ~!た~す~け~て~!」 俺、キリクはまた深緑の森の中心で助けを求めた… だが、ドラゴンの一種であるベルーダに追いかけられてる俺を助けるなんて愚か者はこの森には居ないだろう… 「あひゃひゃひゃひゃ!マジで怖いっす!」 何回同じようなセリフを吐いただろう…。しかし、言い足りない。後千回以上は言いたいくらいだ 「ギ…ギギガアギガアア…」 ベルーダは俺を追いかけるのを止め、大地をガッチリと四本の足で掴み、体が動かないように固定した 「お…諦めてくれたの……か?」 しかし、そうじゃ無かったんだ… ベルーダは、あたかも発射前の大砲のようにドッシリと構え、砲口のようにその大口をアグリと開いた。そのお陰で口の奥まで見ることができる 「あれ?何だかチラチラと炎が見え隠れしておりますが?ま…まさかぁ~!」 俺は逃げ出した。全力で。ほんの少したりとも後方を見ずに俺は逃げ出した。俺の予想が正しければあれは… 「ガ…ガガガガガ…」 ベルーダの口がより一層大きく開かれた時、ベルーダの口から、恐ろしく高温で紫色をした火球が放たれたのだ 「やっぱり竜の息吹(ブレス)かよ~!」 俺はブレスの予備動作に気づき、いち早く逃げ出したが、逃げ出した距離をあっという間に無くしていくブレス。理不尽すぎるこの力…反則だろ!当たれば、てか近づくだけで燃えるよあれ。現に木々を焼き払い、黒い炭にしながら俺に向かってる。しかも何か紫色の炎だから見てるだけで気分が悪くなる 「ふん!ぬらばぁぁ~~!今こそ唸れ!我が健脚ぅ~!」 俺は人が死の恐怖を感じた時に発生する、火事場力を使い逃げてるのにブレスの方が数段速い! 人は本当に恐怖して逃げ出したら物凄く速いんだよ!俺より遅い友達に俺は追いつけなかったんだ…肝試しの時にそれは実証された ちなみに俺、キリクは五十メートル6.7秒。友達は7.2秒。それなのに追い付けなかったんだ……その友達には その時の友達みたいに火事場力が働いているのに…それなのに…追いついてくるなんて…理不尽すぎやで!ブレスさん!
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