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「はぁ…はぁ……さすがに体力も限界に近いっつーの!」
とりあえず俺は叫んだ
相変わらず俺の後ろでは豚面のオーク共が
「ブゴブゴブゴ」
「ニクニクニク」
「ブヘブヘブヘ」
とか言いながらついて来る。いい加減にしやがれ!って気分だし、
メッチャ怖いっす!
誰か助けて!
つか何かガチャガチャ鳴ってて耳障り何すけど…
そこで俺はふと、視線を足元に落としてみた
あ…腰に剣が有るの忘れてた…これは確か母さんが護身用にくれたっけ…こんなの忘れてたなんて俺って天然だったんだ…って馬鹿な話は置いといて、コレが有ればオークなんぞ恐れるに足らず!ハハハハハ!殺ってやるぜ!アハハハハ
俺は嫌らしい笑顔を作り、追いかけて来るオーク三匹を振り返った
突然振り返った俺に驚いたのか、オーク共の動きが止まった
「俺はまだ死ぬ訳にはいかねーんだ!てな訳で覚悟!」
スラリと剣を抜き放ち、両手で構える俺
剣は初心者だが、元々ケンカとかで負けなしだし、運動神経も良いから負ける気がしねー
と俺は思ってた
でも…あんな事になるなんて思っても見なかったんだ…
「しゃぁ~!」
俺はオーク共の内で、一番左に居る一番小さいヤツに狙いを定めた
駆ける俺、たじろぐオーク
上段から振り落とした剣は、オークに防がれる事無く、頭にぶち当たった
バギィン!
完璧だ…と思ってしまった
初めてこの手でこんな大きな生き物を殺したのに…最初に感じた感想がそれだったんだ
俺は…人として最低だと思った
グラリと後ろに倒れるオーク
俺は…静に冥福を願った
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