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「うそだよ、そんなの」
とか、
「おまえを騙して、連れ帰るのさ」
とか、
「連れ帰って、お仕置きするのさ」
なんて、言います。
「だけど…」
言いかけて、ちい星さんは、またさっきの寒気がしてきた事に気がつきました。
今まで、お月さまがうそをついた事なんて、あったでしょうか?
いいえ、ありません。お月さまは、いつだって本当の事しか言いません。
「お月さまは、うそつかないよ!」
ちい星さんは、怒鳴りました。
すると、ネオン達、ネオン達の光の手が、にゅうっと伸びて、ちい星さんを捕まえます。
「行かせない」
「行かせないぞ」
「おまえも、俺たちみたいに、光のかけらになるといい」
「お月さまあっ!」
ちい星さんは、叫びました。
お日さまは、もう、そこまで来ています。
―ちい星!―
お月さまに、ちい星さんの叫び声が、届きました。
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