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お月さまは、反対しました。
お月さまは、ペテダルトンに、光のかけらになって欲しくはなかったからです。
「どうか、お月さま。どうか、僕に行かせて下さい」
お月さまは、首をふりました。
「人間の一部になるのは、そう楽なものではないぞ。おまえは自由に動けなくなるのだ」
ペテダルトンも首をふります。
「それでも、それでも、僕は光にならなきゃいけない」
お月さまは、それ以上、なにも言いませんでした。
ペテダルトンは、地上に降りて行きました。
降りる間際、ペテダルトンは言いました。
「僕の役目が終わったら、その時は…」
お月さまが続けました。
「その時は、私が迎えに降りよう」
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