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次の日
目が覚めると、男の子は思わず、息をのみこみました。
見えるのです。
空や、街や、すべてのものが!
お医者さまは
「奇跡だ」
と言いました。
お母さんは
泣いています。
そうして、
男の子は夜になるとまた、空を見ます。
「あれ?」
男の子は何度も首をかしげては、目をパチパチさせて、再び望遠鏡を覗きます。
「へんだなぁ。僕の星がいないよ」
ペテダルトンは、
ちいさな光のかけらになって、男の子の瞳の奥で輝きつづけていました。
男の子がペテダルトンのことに気づいたのは、それから、ずいぶん後のことです。
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