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男の子は幸せに生きました。
そうして、とても長生きをして死んで、年老いた男の子の体は燃やされる事になりました。
この国では、人が死ぬと、その体は燃やしてしまうのでした。
プスプスと、男の子の体に火が灯ります。
最初に髪の毛が燃えて、まつ毛が燃えて、炎は瞳の中にいるペテダルトンにも容赦なく、襲いかかっります。
「出ておいき、光る奴。おまえ、まだ生きてるぢゃないか」
炎の声です。
「いやだよ、僕は。僕は、この子の星だから!」
ペテダルトンは男の子の中で、しがみつきます。
あんなに若々しかった男の子は、どこに行ったのでしょう?ここに居るのは、年老いた遺体。
それでも、それでも、あの子だから…ペテダルトンは、しがみつきます。
「それなら、勝手に灼かれるがいい」
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