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―僕の星…―
炎の中で、かすかに声が聞こえます。
その声は次第に、はっきりした言葉になって、ペテダルトンの上で響きます。
―僕の星…ああ、やっと言えたね。僕の声聞こえる?ありがとうって、言ったんだ―
ペテダルトンは、しがみついていた手をゆるめました。炎も燃えさかるのを少し止めました。
「驚いた。死んだ人間が喋ったのって、初めて聞いたぜ」
男の子の声は、なおも続きます。
―もういいんだ。ありがとう―
そう言いおわると、男の子の体は、ぽろぽろと崩れて、灰になってしまいました。ペテダルトンは、もう、しがみついていられません。
「ほらよ、あんたは生かして帰してやるさ」
炎は、ペテダルトンを上へ上へと押し上げました。
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