11人が本棚に入れています
本棚に追加
/255ページ
「むかえにきたよ」
お月さまが手を差し出します。
ペテダルトンは火葬場の煙突の上にいます。体を丸めてちぢこまっています。
「たとえ、光のかけらになったって、僕は悔いてはいない。けれど…」
手をのばして、お月さまにしがみつきます。
「ああ、お月さま、お月さま」
ちい星さんは、ポケットの中から宝石箱を取り出します。
「悪いけど、この中に入ってもらえるかい?」
ペテダルトンは、光のかけらです。
光のかけらは、宙に浮いている事ができないので、空に帰っても、すぐに落っこちちゃいます。だから、箱に入れるのです。
ペテダルトンは箱の中に入ります。
もう、泣いてなんかいませんでした。
最初のコメントを投稿しよう!