光のかけら

16/17

11人が本棚に入れています
本棚に追加
/255ページ
「むかえにきたよ」 お月さまが手を差し出します。 ペテダルトンは火葬場の煙突の上にいます。体を丸めてちぢこまっています。 「たとえ、光のかけらになったって、僕は悔いてはいない。けれど…」 手をのばして、お月さまにしがみつきます。 「ああ、お月さま、お月さま」 ちい星さんは、ポケットの中から宝石箱を取り出します。 「悪いけど、この中に入ってもらえるかい?」 ペテダルトンは、光のかけらです。 光のかけらは、宙に浮いている事ができないので、空に帰っても、すぐに落っこちちゃいます。だから、箱に入れるのです。 ペテダルトンは箱の中に入ります。 もう、泣いてなんかいませんでした。
/255ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加