箱の鬼

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「あの、ちい星にしたって、『忙しい、忙しい』って、ちっとも箱を開けてくれないぢゃないか。中の暗闇がどんなものなのか知らないのさ。とてつもなく、寂しくて……なあ?そのうち誰も開けてくれなくなるぜ。外の世界は明るくて、とても闇に沈んだおまえの事など、覚えてる者などいやしない。なあ?箱から出ようや。後悔してるんだろう?人間なんて、そんなに長く生きちゃいないのに、おまえの、ながーい一生、暗闇染めて…」 「言うな!」 ペテダルトンが怒鳴ります。
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