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「つうきさんは、よく泣く子じゃった」
ゼネは話しだしました。お月さまの事を。
金色のちいさなお月さま。ちきゅうの青い海をみつめては、『ちきゅうは、なんだか、かなしそう』そう言っては涙する、とっても愛らしいお月さまの話。
「そうして、つうきさんは言ったのじゃよ。『僕、ちきゅうの傍(そば)にずっと、いるよ。そうしたら、さびしくないでしょう?』とな」
―そうなのかあ―
と、ちい星さんはつぶやきました。
「だから、お月さまは今でも、ちきゅうのそばにいるんだね」
ゼネはゆっくり、うなずきました。
その間にも光がどんどん集まってきて、ゼネはパンパンに膨れあがっていきます。
ゼネは慎重に息をはいて、ちい星さんに言いました。
はく息がそのまま、光いろです。
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