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しばらく言い合いが続いたあと
あたしと啓は息切れが激しくなっていた。
なんかバカみたい。
一人で勝手な思い込みして、グダグダ考えて。
本当に
「バカみたい……」
あたしは自分の腕で目を隠してうつむいた。
律と桜の事、あたしが言えるわけない。
同じようなもんだ。
相手に真実を聞くのが怖くて目を伏せる。
信じてあげようとも出来ないで
疑って いじけてるなんて。
お笑い者だよ。
涙が腕につく。
啓が森田さんと付き合ってないという安心感。
ずっと疑ってた罪悪感。
そのどちらもが溢れてきた。
好きなら信じてあげよう。
好きなら
自分の気持ちを伝えよう。
あたしは腕で涙を拭った。
それから啓の目を真っ直ぐ見た。
「好き」
「え……？」
「あたしは啓が好き」
どうして今まで言えなかったのか不思議になるくらい、すんなり言えた。
もう いいや。
振られてもいい。
ただ あたしが好きなだけだから。
．
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