少女の観察

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少女の観察

ちょっと太った女の子のノートを覗くと、結構 字が汚ねぇ。 まあいいか。 しばらく観察する。 少女を観察していると、分かったコトがある。 いわゆる『イジメ』の一歩手前。 前に何度か見たな。 しかも、差別?みたいのされている。 「シンタイ(身体障害者の略)」 こんな造語が彼女を攻撃し、孤立させている。 ふーん。 手っ取り早く彼女の記憶を見てみる。 色々能力あると便利だな。 女の子は、中学校に入学して図書室で読書に熱中する余り、友達も作らず孤立した。 そして、知らない間にシンタイというイジメの一歩手前の扱いを受ける。 へぇー。なるほどね。 女の子は、逃げるように持参した本を読み漁る。 ひたすら黙ってばっかだな。 じっと見つめていると、女の子は唇を噛みしめ、震える手をぐっと握る。 「きったねぇな。シンタイ!」 自然に肩がぶつかれば、クラスの男子は嫌そうに言って、ぶつかった部分を手で拭い、友達に押し付けた。 下らん。ばかみてえ。 女の子に目を向けると、泣きそうになるのを必死に堪えている。 でも、その目は男子に憎しみと悲しみが向けられてる。 そんな目ぇ出来んじゃん。
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