第一幕~七人の勇者~

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「よし、みんな!明日からはもっと厳しい練習メニューになる。 今日は早めに帰ってゆっくり休んでくれ!」 俺は部員に解散を伝え、一人グランドの整備をしていた。 「よう、青春してるかい兄弟。」 とそこえ聞き慣れただちの声が、 こいつは去年の夏に野球部を去った同級生の市村一樹、もとピッチャーだ。 「俺はいつから一樹の兄弟になった?」 俺は半分あきれて言い返した。 「ん?それはたしか三年ま」 「あーそれよりお前に頼みたいことがあるんだけど?」 一樹の言葉など聞く価値もない。 「オウ、何でも言ってみろ」 こいつも俺との長いつきあいの中でそのことにかんづいたようだ。 「ああ、お前まだあの球放れるか?」 あの球とはこいつが一番得意とするデッドボールすれすれから外郭低めのコースをつくカーブのことだ。 「ほほう?俺の球をうちたくなったか?」 「あ、ああまあな。じゃあ頼んだぞ。」 俺はバッターボックスに入り、バッドを構えた。 「行くぜ?」 「さあこい!」 俺は今日の練習試合のことで、すこしムシャクシャしていたのかもしれない。 だから・・・。
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