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「よし、みんな!明日からはもっと厳しい練習メニューになる。
今日は早めに帰ってゆっくり休んでくれ!」
俺は部員に解散を伝え、一人グランドの整備をしていた。
「よう、青春してるかい兄弟。」
とそこえ聞き慣れただちの声が、
こいつは去年の夏に野球部を去った同級生の市村一樹、もとピッチャーだ。
「俺はいつから一樹の兄弟になった?」
俺は半分あきれて言い返した。
「ん?それはたしか三年ま」
「あーそれよりお前に頼みたいことがあるんだけど?」
一樹の言葉など聞く価値もない。
「オウ、何でも言ってみろ」
こいつも俺との長いつきあいの中でそのことにかんづいたようだ。
「ああ、お前まだあの球放れるか?」
あの球とはこいつが一番得意とするデッドボールすれすれから外郭低めのコースをつくカーブのことだ。
「ほほう?俺の球をうちたくなったか?」
「あ、ああまあな。じゃあ頼んだぞ。」
俺はバッターボックスに入り、バッドを構えた。
「行くぜ?」
「さあこい!」
俺は今日の練習試合のことで、すこしムシャクシャしていたのかもしれない。
だから・・・。
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