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春の匂いを残す、初夏5月。爽やかな風に、ちょうど良い気温。
そんな季節から、この物語は始まる。
「架月!おはよー」
もう散々見慣れた教室のドアを開けた。もう、何人かが登校済み。
生徒が多い時間に登校するのが嫌で、結構早く来てるのに。
「鈴、おはよ」
一番に挨拶をしてきた親友の、小池 鈴音(コイケ スズネ)、通称鈴(スズ)に挨拶を返した。
「架月、今日は来るの少し早めなんだね?」
私は鈴の後ろの席。未だに名前の順の席だから。
あ、ちなみに私の名前は桜野 架月(サクラノ カヅキ)。
男みたいな名前だ、ってよく言われるけど、れっきとした女。
「一本速いのに乗れたのよ。」
席に着き、カバンから教科書を出しながら言った。
「そっかあー。まあ遅いと王子様のファンとか居るしね」
「ほんとあれは邪魔くさい。」
「あははっ!
いつもながらズバッと言うねぇ、架月らしい。」
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