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「あの人だよ、桜野架月」
「噂通りだね―」
「ほらっあそこの席の子」
「あれのどっち?」
廊下には人が溢れかえっている。
「…やっぱり架月見に来る人多いね」
ひきつり笑いで廊下を見る目の前の鈴。
廊下の人達の目的はあろうことか私。
「迷惑。すっごい迷惑。」
廊下を一睨み。
「まあ皆まさか架月と王子が付き合うだなんて思わないしね。見に来る気持ちも分かるよ」
「付き合うって言っても昨日言った通りよ」
「分かってる分かってる!全く好きじゃないんでしょ?」
昨日王子と付き合う事になった。つまり彼氏。
鈴には昨日の夜に報告した。メールで済ませようと思ってたけど、メールを見た鈴から速攻電話がきた。
で長電話したから今日は凄い眠い。
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