Story:2

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何でこいつこんな事サラッと言うわけ? 「私1人で居るの好きって言ったわよね?」 「うん」 うんって…。 本当にこいつとは会話が成り立ってない気がするのよ。 「だから行かない。じゃあね」 奴の隣を過ぎ去ろうとした時。 「俺と居ると惚れそうなんだ?」 自分のこめかみがピクリと動くのを感じた。 「はあ?」 「そっかそっか~。先輩もそ~んな簡単に堕ちちゃうんだ~」 今だけ私のプライドが無くなれば良いのに… 「…行くわよ」 こんなに自分の負けず嫌いを恨んだ事があったかしら。 「先輩って可愛い性格してんのな。」 ポンッと私の頭を一撫でし、教室に戻って行った。 「…っな、」 今まで、負けず嫌いなトコとかプライド高いトコとか、“可愛くない”って言われ続けてたのに。 初めて“可愛い”とか言われた。 「…」 頬が熱いのが悔しい。 こんな事言われるのに免疫ついてないのが悔しい。
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