Story:2

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あっという間に、昼休み。 「あっあの王子!この本借りたいんですが…」 「は―い。カード貸してね」 王子目当ての女の子達が、ドンドン本を借りて行く。 「澪里、これ借りたいんだけど」 「あ、先輩。ありがとうございます。」 何この甘いキャラ。 私の前で話す時と180度違う。 「架月先輩、ハンコ捺して」 そのキャラで話しながら、カードを渡された。 「はいはい」 軽くあしらいつつカードを受け取る。 「澪里さぁ、本当に桜野さんと付き合ってるのぉ~?」 目の前の女の先輩が、猫なで声でそう言い出した。 「はい、ラブラブですよ。」 首を傾けて、私の肩に頭を乗せてきた。 その姿に何人かの女の子達が声をあげている。 「………」 イラッとして突き放してやろうかとも思ったけど、まあ放っといた。 付き合ってるのは事実だし。 「で、でも何か桜野さん冷たくない?」 「架月先輩って照れ屋さんなんですよ」 ニッコリ笑って、甘い声で先輩と受け答えしてる。 私はハンコを捺したカードを先輩に渡す。 その時に 「私が東峰澪里に冷たかったら、何か先輩に支障があるんですか?」 と聞いた。 「…は、はあ!?あんた先輩を馬鹿にしてんの!?」 先輩は少し意地になったらしく、声を荒げた。 「じゃあ私が東峰澪里に冷たくした事で、何か支障があったんですか?何かあなたに、関係があったんですか?」
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