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あっという間に、昼休み。
「あっあの王子!この本借りたいんですが…」
「は―い。カード貸してね」
王子目当ての女の子達が、ドンドン本を借りて行く。
「澪里、これ借りたいんだけど」
「あ、先輩。ありがとうございます。」
何この甘いキャラ。
私の前で話す時と180度違う。
「架月先輩、ハンコ捺して」
そのキャラで話しながら、カードを渡された。
「はいはい」
軽くあしらいつつカードを受け取る。
「澪里さぁ、本当に桜野さんと付き合ってるのぉ~?」
目の前の女の先輩が、猫なで声でそう言い出した。
「はい、ラブラブですよ。」
首を傾けて、私の肩に頭を乗せてきた。
その姿に何人かの女の子達が声をあげている。
「………」
イラッとして突き放してやろうかとも思ったけど、まあ放っといた。
付き合ってるのは事実だし。
「で、でも何か桜野さん冷たくない?」
「架月先輩って照れ屋さんなんですよ」
ニッコリ笑って、甘い声で先輩と受け答えしてる。
私はハンコを捺したカードを先輩に渡す。
その時に
「私が東峰澪里に冷たかったら、何か先輩に支障があるんですか?」
と聞いた。
「…は、はあ!?あんた先輩を馬鹿にしてんの!?」
先輩は少し意地になったらしく、声を荒げた。
「じゃあ私が東峰澪里に冷たくした事で、何か支障があったんですか?何かあなたに、関係があったんですか?」
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