Story:2

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「東峰澪里はフルネームだから。」 「名前って言ったじゃない」 「俺の名前だけ、呼べ」 “澪里”って呼べって事? 「いや。」 命令には絶対従いたくない性格。プライドの問題。 それに17年生きてて、男の子呼び捨てなんてした事ない。 「れ―り。だよ」 「知ってるわよ」 「呼べって事」 「………」 奴と視線を交えたまま無言。やっぱり顔近い顔近い顔近い。 つか私は男慣れしてなさすぎだけど、こいつは女慣れしすぎじゃない? 「早くしないと」 「ちょっ…」 腰に回されてる腕にグッと引き寄せられた。 ヤバい、ヤバい、ヤバい、ヤバい。 顔に吐息かかってるんだけど。 鼻先同士付いちゃいそうなんだけど。 前髪おでこに当たってんだけど、つ―かおでこ当たってるんだけど。
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