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国から追われる程の犯罪者と、その犯罪者を追う警察
決して結ばれない
決して交わる事のない二つ
土方が黙ったまま言葉を探していると、いつの間にか傍に来た高杉が土方の額に自分の額を軽くあててきた
「そいつらがその後、どうなったか知りてェか?」
「どう‥なっ‥た…?」
もしかしたら聞かない方がいいのかもしれない
だけど気になった
どんな結末を迎えたのだろうと
「男は処刑された。女も、男が処刑された数日後に‥自殺した」
やっぱり、と呟いた
聞かなければよかった、と
眉を寄せる土方の体を抱きすくめ、高杉は
「俺が捕まって、処刑されたらお前はどうする」
そんな事、考えたくもない
高杉のいない世界なんて、考えられない
警察の立場として、この考えは間違っている事は理解しているけど
「許さねぇ‥」
驚いたような表情を浮かべる高杉の着物の襟元をギュッと握り、土方は眉をつりあげた
冗談でも、死ぬ事を前提とした話しをするな
まるで、そう言うように
「もし‥もしも、テメェが先に死んでも、俺は絶対ェ後を追ったりしねェ」
絶対に生きながらえてやる
一人で逝くのが嫌だったら、絶対ェ俺より先に死ぬんじゃねェ
土方のその言葉が嬉しくて、抱きしめる腕に力を込めた
絶対に一人にしない
まるでそう言うように
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