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それからは一々総悟の言葉一つ一つに反応するのもダルいので、それからの言葉はただひたすらシカトし、見回りの為に渋る総悟の首根っこを引っ張り町の中へ出た
町へ出てどれくらい経っただろうか
相も変わらずグチグチ文句を言う総悟
しかし、ふとなにかを思い出したのか、あぁ…と小さく声を出し、やがてクルッとこちらへ振り返って来て
「そうそう。土方さん、アンタ想い人とは会えましたかぃ?」
あまりにも唐突過ぎて、驚き過ぎて、顔が真っ赤になるのを感じた
どういう事だ
なぜ、奴は知っている?
「アンタ…それでバレてねーとでも?」
呆れたようにため息をつく総悟が酷く憎たらしい
土方は舌打ちし、相手の質問に一切答えずに黙々と歩みを進めた
不満そうに舌打ちをする音が聞こえてきたが、そんな事どうだっていい
アイツなんかに言ったら町中に言い触らされるに決まってる
そんな中、総悟がにたにたと笑い、前方をみつめてるのに気付いた
「噂をすりゃ何とやら……」
バカにしたような相手のにやけ顔に苛立ちながらも、土方自身もも眉を寄せながら前方を見つめる
するとその方向には、今までずっと会いたいと思っていた……
「…長谷川さんだ……」
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