受け継ぎ

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本当に異常はない。 あるとしたら右目がまだ痛むだけ。 それ意外、変わったことはなにも―― 「っ!?」 突然異変が来たみたいだ。 だんだん視界が闇に覆われて狭くなってくる。 それとだんだん世界が遅くなっている感じがする。 「どうした!?やはりなにかあったのか!?」 勝じぃが僕の様態を察したのか、こちらによってこようとしているのが微かに見える。 しかし、僕の目には勝じぃが何故か低速に見え、僕のところにくるまでかなり時間が掛かりそうだった。 ――勝じぃ……なんでそんなに遅いのですか……早く助けてください…… 思っただけで言葉にすることができない。 理由はなんとも言えない苦しみの所為。 ただ辛くてなにも喋ることができなかった。 そして闇はとうとう僕の視界を完全に覆った。 右をみても左をみてもただ真っ暗な世界があるだけ。 勝じぃや他のじぃちゃん達の声もしない。 ――……なんだか疲れた……この闇も明日になれば晴れているだろう……今日はもう寝よう……きっと勝じぃだって許してくれる…… 目を取り替えたり、視界が闇に覆われたり、世界が遅くなった感じがしたりとで、かなり精神が参っている。 僕は静かに腰を下ろし、闇の世界で寝っころがった。 そして静かに目を閉じ、睡眠する。
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