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「えっと……いた!」
探し始めて3分後、すぐに怖い大人5人と白い着物を着た女の子を見つけた。
「お嬢……もう逃げるのはやめてくたせぃ……早くお頭のところにお嬢を連れていかないと俺達がお頭に……」
怖い大人達の一人が女の子に言いながら近寄って行った。
「ならアンタ達で父上に言ってよ!娘はあんな弱そうな男とお見合いなんかしたがっていないって!!」
お嬢と呼ばれた女の子は、怖い大人達に強い口調で言った。
「む、無理っすよ!!そんなこと言ったら首が飛んでしまうっすよ!!」
「いいじゃないの!私の為に死ぬのが嫌なの!?」
女の子は大人達と仲が悪いみたいだ。
幼い僕にはこの時、話の内容が掴めずに危険な状況だと思った。
――このままじゃ捕まっちゃう……早く助けないと!
そう思って女の子の前に一瞬で立ちふさがった。
「助けに来たよ!早く逃げよ!」
喋りながら女の子を持ち上げ、おんぶした。
この時から修行である程度筋肉をつけていたから女の子を簡単におぶることができた。
「えっ!?ちょっ、いきなり何よアンタ!?」
「追われているんでしょ?僕が助けてあげる!」
しっかりおんぶして、大人達逃げよとした時。
「こらガキ!!なにしてんだ?その女の子を早く離しやがれ!!じゃねぇと殺すぞ!!」
大人の一人が僕に怒鳴る。
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