18783人が本棚に入れています
本棚に追加
「お、お前たちなんか怖くないぞ!捕まえられるものならつっ、捕まえてみろ!」
本当は怖かったが嘘を言って、大人達に咬みながら強く言う。
「生意気なガキが!!捕まえたらただじゃおかねぇからな!!」
大人達は僕を捕まえようと一斉に襲いかかってきた。
「ちょっと!アンタそんなこと言って大丈夫なの!?私のことはいいから早く逃げなさいよ!」
「大丈夫!きっと大丈夫だから……任せて!ちゃんと君を助けるからね!」
女の子にそう言って、僕は女の子をおんぶしたまま襲いかかってくる大人達を高く跳んで超えた。
「な、なにぃ!?」
大人の人は飛び越されて驚いたみたいだ。
普通ならありえないから仕方ないと思う。
普通じゃありえないことをする、それが忍者なのだ。
「す、すご……」
「このまま安全なところに逃げよう!」
そう言って、また高く跳んで家の屋根に乗り、屋根から屋根へと飛び移りながら偶然みつけた公園の砂場に着地した。
「ふぅ……ここなら大丈夫だね!」
なんだか楽しくって、笑顔で女の子に言う。
「赤い目の君!!すごい!まるで空を飛んでいるみたいだったわ!!名前はなんて言うの?どこに住んでるの?よかったら電話番号を教えてくれない!?」
「え、えっと……」
女の子は少し驚いて、嬉しそうに沢山のことを聞いてきた。
でも全部答えられない。
何を聞かれているかわからないってこともあるけど、忍者は信頼できない人に正体を明かしてはいけない。
だから……こういう時は逃げなければならない。
「ご、ごめん……僕のことは何も教えられない……ごめんね!」
「えっ……?ま、まって!!」
女の子に謝って、すぐに女の子から逃げた。
………………。
そのあと屋上にまた戻ると勝じぃがいて、忍術をつかったことが見つかって頭に拳骨をくらったことはよく覚えている。
最初のコメントを投稿しよう!