里離れ

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自分の過去を夢でみた。あれは5年も前のことで、いまは女の子の顔や特徴、声すら覚えていない。 ただ覚えているのは女の子を助けたということだけ。 そして受け継ぎの儀式を行ってから既に1ヶ月が過ぎた。 いつの間にか5月の初め。 今日は勝じぃに呼び出されている。 なんでも話したいことがあるみたいだ。 体を起こし、布団から出て布団の横にある白い眼帯を取る。 目を取り替えから、異常がないわけでもなく、かなり変な能力を手に入れてしまった。 まず右の青い目を眼帯で隠し、赤い目だけにすると世界が遅くなるのだ。 理由はわからない。 ただ世界が遅くみえるのだ。 そして今度は左の赤い目を眼帯で隠し、青い目だけにすると…………なにも異常はない。 いつも通りだ。 続いて眼帯をつけないで両目を開けると…………普通では見えないものが見えてしまう。 普通では見えないもの。 つまりそれはお化けだ。 このまえ両目を開けたまま里で修行をしていると、金髪で頭にわっかを浮かせている女性が空を飛んでいるのを見た。 あれは絶対に天使とかいうお化けに違いない。 その日の夜は怖くて眠りにつけなかった。 あの天使の姿を思い出すだけで寒気がする。 だから、毎日左目に眼帯をつけることにした。 これならお化けが見えないからだ。 ………………。 これらが僕の異常だ。 左目に眼帯さえつけていればもう大丈夫。 最後にたまにだが一日中、目が見えなくなることがある。 こればっかりはどうしようもないから、その日は一日中布団の上だ。
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