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そういって部屋から出て、玄関をまっすぐ行った場所にみえる階段を上って2階へ来てみた。
「お、お姉ちゃんごめん!!謝るから寄ってくるなぁ!!」
すると微かだが近くの部屋から男の子の声が壁越しから聞こえてくる。
きっとこの声の主がロゼッタの弟なんだろう。
「うわぁああ!!やめろ離せぇええ!!」
………………なんだか2人に可愛がられてるみたいだ。
とりあえず私もお邪魔してロゼッタの弟を一目見ることにしよう。
「ロゼッタ、レイナ、お邪魔するわよ……」
しゃべりながらドアノブを開けて部屋の中に入った。
部屋の中はロゼッタが好みそうなピンク色でできていて、ピンク色の家具や壁紙で埋め尽くされている。
「あー!!リオちゃん!」
青色の髪と金色の瞳が目立つソウルさんに似た男の子を赤い縄みたいなもので拘束しながらロゼッタが笑顔で言う。
レイナはそんなロゼッタを困った顔をして手首を振りながら止めていた。
「あ、あんた何してるのよ?」
さすがに拘束はまずいだろうと思う。
だから私もレイナみたいに止めてやらなくてはいけないという使命感が突然生まれた。
「私の弟のハルクがね、お姉ちゃんの私を怖がるからお仕置きしようと思ってるんだっ」
ニコニコとフィリアさんのような笑顔でとんでもないことを言うロゼッタ。
「いや、お仕置きにも限度ってものがあるでしょ!弟のハルクって子が可哀想だから放してあげなさいよ」
明らかに嫌だと訴えかけてくるハルクの顔は、私の心を痛ませるものだった。
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