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「えー!せっかく捕まえたんだけどなぁ……あっ!!」
隙をついてハルクがうまくロゼッタの手から抜け出して、胴体を縄で縛られたまま部屋の扉の前に立つ。
「覚えてろよ!!俺が大人になったら復讐してやる!!」
ロゼッタによくあるセリフを言ってハルクは尻尾を巻いて部屋から逃げて行った。
「うー、久しぶりにハルクと遊べると思ったのに逃げられたー!」
悔しそうな声を漏らしながら近くにいたレイナに抱きつくロゼッタ。
「(ふりふり)……優しくしないとだめ」
首を横に振ったあとにレイナがもっとも正しいことを言う。
「私はちゃんと優しくしてあげてるよ?」
「あんたねぇ、弟を縄で縛る時点で厳しいわよ!」
あまりの矛盾に思わずつっこんだ。
「だってぇ……ハルクが素直にならないんだもん」
充分素直に嫌がっていたように見えたのは私の気のせいだろうか?
――この調子だと子供になった綾もさっきのハルクみたいにされたんだわ……
綾の性格だ、今頃どこかでロゼッタ達に復讐しようとしている筈ね。
「とにかく!あれじゃあいくら何でも可哀想だから今度から優しくしなさいよ?」
「……うん、できるだけ優しくする!」
ロゼッタが言うと、レイナが微笑みながらロゼッタの頭を撫でた。
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