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ヒュー……。
季節は春。暖かな風が僕の肌を優しく撫でるように吹いた。
逆時 綾(サカジ リョウ)。それが僕の名前。
そして鷹島(タカシマ)と言う火山の麓にある忍者が住む忍びの里で暮らしている。
ここの里には住民が7人しかいない。
若いのは僕だけ。
あとの6人はみんな80過ぎの老人だけ。
ちなみに僕は15歳。一応いまから忍者になりそうだ。
この里には掟があり、15歳で元服するまで忍者にはなれないのだ。
そして忍者になる前にある儀式をしなければならない。
その儀式を僕は今からするのだ。
この儀式を行えば、晴れて僕は立派な忍者になれる。
ここまでくるのは本当に大変だった。
来る日も来る日も里のじぃちゃん達に厳しい特訓や勉強をさせられた。
一日中50㎏はある、僕の体より一回り大きな石をかつがされたり、その石を背負ったまま木から木へと飛び移らされたこともあった。
そんな努力が報われ、いま僕は儀式をする祭壇に座っている。
周りには6人のじぃちゃん達が僕を取り囲むように立っている。
儀式の内容は簡単。
ただじぃちゃん達のなかで一番強いじぃちゃんであり、僕の保護者でもある勝じぃ(カツ)の片目と僕の片目を取り替えるだけだ。
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