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こんなこと初めてだった。
勝じぃは僕が良いことや特訓が上手くできても決して誉めようとはしてくれなかった。
「何を驚いておる……儂だって人を誉めることぐらいできるわい。」
「す、すみません!!」
失礼な態度をとってしまったので、僕は慌てて勝じぃに謝った。
「まあよい……お前には今まで誉めてやれんかったからのぅ……驚いて当然じゃな。」
いつもなら怒る勝じぃだが、今日の勝じぃはものすごく優しかった。
「綾、お前の呪われた紅き両目が片方なくなるが、覚悟はできているのか?」
僕の目は生まれた時から赤に染まっていた。もちろん理由はわからない。
「はい!忍者になると決めた日から覚悟はできております!!」
そしてこの紅き目が勝じぃに呪われていると言われている理由とは、この目で満月を見ると興奮してしまい、まるで人格が変わったようになり自分じゃ考えられないことをしてしまうからだ。
満月を見ると急に強くなったり、殺意が込み上げてきたりと、本当に大変なのだ。
一度誤って満月をみてしまい、僕自身が暴走してしまって里の爺ちゃん達に致命傷を負わせたことがあった。
勝じぃは無事だったが、その他の爺ちゃん達は僕の所為で体を動かすことが困難になり、忍者としてはやっていけなくなった。
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