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いまからそんな危険な片目を捨てるのだ。
これによって僕が暴走しなくなるか、更に暴走するかもしれないと言う可能性がある。
勝じぃはきっと僕が暴走するのを恐れている。
この前暴走した時は、里の爺ちゃん達が協力して僕の暴走を止めてくれたが、今は勝じぃしか止めることができないのだ。
だから下手をすれば僕の手で里は壊滅することになる。
「……よくぞ言った。では皆の者!!これより儀式を開始するぞぃ!!」
だが勝じぃは恐れを捨て、儀式をすることを選んだ。
「「御意!!」」
勝じぃの言葉を聞いて、爺ちゃん達が声を合わせて言った。
いよいよ儀式が始まる。
「刀を持って参れ!!」
「御意!!」
勝じぃが叫ぶと、爺ちゃん達のひとりが小刀を勝じぃに渡した。
「綾!!右目を出せぃ!」
続いて勝じぃが僕に叫ぶ。
――遂にきた……。
僕は立ち上がり、左目を左手で隠して右目を勝じぃに突き出した。
――大丈夫……覚悟はできている……。
勝じぃは何の躊躇(タメラ)いもなく、僕の右目を抉(エグ)り出した。
「っ!!……くっ!!……」
麻酔などは塗ってないから、当然のように目を抉り出された痛みが僕を襲う。
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