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「承知した!!」
白じぃは返事をしたあと、倒れている僕を起こした。
「もうすぐで終わるからの……もう一踏ん張りじゃ。」
白じぃは僕に優しく言うと、片手に持っている御先祖様の片目を僕の穴の空いた右目に押し付けて…………無理矢理に御先祖様の目を右目に入れた。
「っ!?……ハァ……ハァ……」
これはそれ程痛くはなかったが、勝じぃに拳骨(ゲンコツ)されるぐらい痛い。
そして、目が入ったからって御先祖様の目が機能する訳がない。
目を入れたあとに呪文みたいなものを唱えなければいけないのだ。
「「……………………。」」
爺ちゃん達が呪文をブツブツと声を揃えて唱えている。
僕が未熟な為、爺ちゃん達が何を言っているのか聞き取れない。
――忍法は苦手だ……。
「「……………………。」」
5分後、爺ちゃん達は呪文を唱え終えたらしく、静かになった。
「熱っ!?」
静かになったとほぼ同時に、御先祖様の目が入っている右目が急激に熱くなった。
これはきっと呪文が発動しているからだと思うが、この熱さは尋常じゃない。
まるで目を火で炙(アブ)られているような、目が燃えているような、様々な感じがして物凄く辛い。
「くっ……はっ……」
無意識に右目を両手でおさえながら僕は苦しんだ。
――早く……早く終わってくれ……。
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