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そして一時間ほどが経った…。
教室内にあったダンボール箱は外へ全て運ばれ、新入生もいない中、クロノスはカッターシャツのボタンを開け、重い溜め息をついて黒板近くに座っている。
その横では、タオルで汗ばんだ顔を拭きながら、座っている教官がいる。
「遅刻者、名前は?」
「クロノス…クロノス・クオーラ…です」
「クオーラ…知らんな…そんな名家を聞いたこともないしな」
教官は、自分が出した課題を難なくではないが、こなしたクロノスの名前を気にせずにはいられない様子で、ぶつぶつと脳から名前を探すように呟いている。
「それにしても、その筋肉と腹筋…そして体中の傷。いったい何者だ、クオーラ?」
教官は彼の体中にある幾つもの剣の傷や、魔物の爪らしき傷を見て、不思議そうに聞いた。
すると、それにビクッと体が震えたクロノスは、急いでカッターシャツのボタンを半分ぐらいまで閉じて慌てて立ち上がった。
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