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教官は、荷物がそれだけではないのか、再び教室の端に行き、次々とダンボール箱を運んでいると、クロノスがたまらず聞く。
「何が入っているんですか?」
「ん?これは、昔の剣術科が使っていた錆びた鎧や剣だ。もう使えないが、いつまで経っても捨てられなくてな」
教官は昔を思い出しているのか、嬉しそうに微笑みながら言ってると、クロノスが制服の上着を脱いで近くの机の上に置いた。
「要するに、これを運べば良いんでしょ?」
カッターシャツの腕の部分を捲り上げるクロノスを見た教官は、ニコッと微笑みながら頷き、近くにあったダンボール箱を持った。
「気をつけろよ?相当重いからな。それほど筋肉がついていない一年だったら、腰を悪くするかもな!ガハハ!」
(だったら、手伝わせるなよ…)
クロノスは教官の矛盾にツッコミを入れながらも、差し出されたダンボール箱を手に持つ。
「よいしょ……行きましょうか?」
クロノスがすんなりとは言えないが、きちんと手に持つと、教官は目を丸くしている。
何故なら、教官は彼を少し痛い思いをさせてやろう、と思っていただけであって、持つとは夢にも思わなかったからだ。
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