†王立魔法・剣術学校†

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  「だから、すまんって謝っただろ?」   「ふん!これからは気をつけろ!」     それを確認したにも関わらず、クロノスが頭を下げずに睨み返しながら言うと、二年生の男は舌打ちをして坂を上っていった。     「ぁあー……腹立つ…」     クロノスが眉間にシワを寄せながらそう呟き、運転手のちょっとした魔力で動く、赤い二階建てのバスに乗ること10分弱。   クロノスは東、西、南と王国と外を繋ぐ大きな出入り口の門の1つ、東門の近くで降りた。   そして、門の近くに立っている門兵の横を通り過ぎ、王国の東側にある知る人ぞ知る、透明な美しい湖がある森の入り口の前に着いた。   その入り口の看板には「関係者以外入るな!入ると適切な処理を行う」と書かれてある。     「何が適切な処理だ…見張りなんて居ないくせによ」     そう言うクロノスだが、発言とは裏腹の微笑む顔は、どこか安心感のようなものがあり、ここに何かがあるのか、両側の木々に挟まれた、砂利道でできた一本道の上を奥へと歩いていく。
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