†不死鳥のギルド†

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そして、太陽に反射して銀色に光る剣を大きく後ろへ振りかぶり、何回も家を斬りつけると、次第に建物が壊れ始めた。     「こんなものがあるから……」     クロノスが怒りを抑えながらそう呟き、最後の剣の一筋をひび割れた建物に加えると、それは上から崩れていく。     「ぉおお!」 「さすが不死鳥の者だ。少年でも凄いなっ!」     周りがそのことについて驚いているが、クロノスは当然、このようなことでは嬉しがるはずもなく、崩れた建物の上に座り、例の侍を待っているのだった。   ……… それから少しの時間が過ぎ、周りがクロノスの命令で家の中で待機していると、1人の中年の男が、自ら狩ったであろう小動物を手に持って村に入ってきた。   身長が大きく、体格も太く、整理していない汚らしい髭、腰に下げている大きな剣、この男が今回の討伐者だ。     「迎えが無いのぅ!どうなってんや!」     その男は堂々と村のど真ん中を歩いていたが、目の前で壊れた自分の家を見て、驚きの余り、掴んでいる小動物を落としてしまった。
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