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「先輩が好きな人いること知ってるけど……そうやって言われたら嬉しくなるじゃないですか」
「涼平君?」
タンポポの花言葉、思わせぶり。
「ずるいよ……優しくしないで」
優しくするのは好きな子だけでいいじゃないか。
俺は先輩の顔を見つめた。
「先輩……好きです」
「え?」
今までの不思議な気持ちが分かった。
佐川先輩が、好き。
知らない間にこんなにも好きになってしまっていた。
「……ごめんなさい、忘れてください」
でも佐川先輩には好きな人がいる。
「涼平君?」
あきらめなきゃ。
「さよなら……」
先輩の顔を見れなくて。
慌てて走り出した。
「涼平君!」
突然、変なこと言ってごめんなさい。
でも、溢れ出す思いは、止めることが出来なかったから。
タンポポの花言葉、別離。
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