315人が本棚に入れています
本棚に追加
ゆっくりと唇が離れる。
「ずっと待ってたんだ……」
少し、声が震えてる。
「なんでさよならなんか言うんだよ!」
「先輩……?」
「俺の好きな人は涼平君なのに!」
心に響く。
これは……夢?
「優しくしないでって言われても無理。優しくしたい、だって好きだから……」
「先輩……それ、本当?」
先輩は俺に馬乗りになったまま俺の額にキスをする。
「本当だよ……涼平君が好き」
現実なんだ。
先輩をあきらめなくていいんだ。
「先輩……好きっ……」
「俺も好き、だって涼平君を園芸部に誘ったのだって一目惚れしたからだもん」
え?
今なんて?
「でも話しているうちにもっと好きになっちゃって……でも俺は男だから……」
そんなの関係無いよ。
「俺は先輩が男でも女でもいいです、好きだから……」
すると先輩が優しく微笑んだ。
「……好きだよ」
タンポポの花に包まれて。
大好きな人との甘いキス。
タンポポの花言葉。
恋愛の成就。
最初のコメントを投稿しよう!