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「校舎内探険っと!」
事の始まりは数十分前。
今日は高校の入学式で、俺はピカピカの一年生。
ウキウキとした気持ちを押さえきれる訳も無く、校舎内探険を開始。
「お?何これ?」
校舎の裏庭の茂みに、さらに奥へと続く小道があるのを見つけた。
……まるでト〇ロの森への抜け道みたいだ。
「何処に繋がってるんだろ?」
やめとけば良かったのに、俺は体を屈めてその奥へと進んで行った。
そこで見つけたのは……。
「……花?」
プランターに植えられた数々の花。
木々に囲まれた煉瓦造りの小さな広場は花々によって綺麗に彩られていた。
「すご……」
そして広場のさらに奥。
絨毯のように広がるタンポポ畑の上にそれはあった。
「あれ?……男の子?」
サラサラとした蜂蜜色の髪。
白い肌に長い睫毛。
自分よりも少し小柄な少年がそこに横たわっている。
「……」
まるで何処かの国のお姫様みたいだ……。
そんなつまらない事すら考えてしまう。
あれ?てかこれって……。
「……え?死体?」
そうして今に至る。
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