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「それじゃあここに判子を……」
李は判子をもらうと、改めて荷物を少女に手渡した。
「おい明希!なにちんたらやってんだ、さっさとしろ!!」
その時、門の向こうから聞こえた男の怒鳴り声。
「てめぇ、売り飛ばされてぇのか!!」
すると少女は慌てて門の中に戻っていった。
一人ぽつんと残された李。
「さあて、仕事も終わったし帰りますかね……」
李はポケットから煙草を取り出す。
それと同時にポケットから落ちる写真。
写真に映ったさっきの少女は、やはり笑顔だった。
李は落ちた写真に気づきながらも、拾わずに歩を進める。
幸せを届けろだ?
俺にどうしろっつうんだよ……
李はゆっくりと煙草の煙を吐き出すと、トラックに乗り込んだ。
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