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あれ?この子どっかで……
「あの、ここに判子いただけますか?」
李は少女に荷物を渡すと言う。
荷物を渡しながら少女の顔をもう一度まじまじと見つめた。
やっぱりどこかで見たことある気がするな……
「あ、あの、ちょっと待っててください」
少女はそう言うと荷物を李に戻すと、再び門の向こうに消えた。
あの子、どこで見たんだろう?……
少女が門の向こうに消えた後も、李の疑問は解消されないままだった。
少女は判子を取りに行っただけだったのだろう、再び門を開けて李の前に姿を現した。
その瞬間、李に衝撃が走る。
……分かった、この子、写真に映ってた子だ……
そう、判子を手にし戻ってきたその少女の姿は、昨日謎の女性に渡された写真に映っていた少女に違いなかった。
ただ、写真との唯一の違い。
それは、目の前にいる少女の顔には笑顔がなく、表情が暗いということだけ。
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