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何も無い世界。
無機質の器の枷すら持たない
私は幻想の存在
†Fantasy snow blossom†
空虚な左目は、何を写していると思う?
未来も過去もまどろみの中に消えて
このアイホールに写るのは、お慕いする貴女だけ。
「…貴女はだれ…?」
『…貴女は…だぁれ…?私は…何処に還ればいいの―…』
偶然出会ったのは、私の二つ上の姉妹。
その強い眼差しを見ていると、出会いも必然の様な気がしてしまう。
「貴女は誰なの!?」
綺麗な躯…その躯、私が貰ってしまいたい…
けれど…今はまだ、貴女に手は出しません――…。
『…綺麗な器…私の躯…また…幻想の世界で…会いましょう…』
「ま…待ちなさい!!雛苺と蒼星石を壊したのは貴女なの…!?」
嗚呼…なんて姉妹想いの薔薇乙女…。
貴女が知るべき事は、何れ分かるはず。
『…悲しみは…巡り続け…留まる事を知らない…』
「何…ですって…」
その表情…全て奪ってしまいたい…
二つ上の姉妹を残して、私は姿を消した。
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