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真夜中
少女はたった一人、古びれて異様な雰囲気を放つ旧校舎を走っていた
何か恐ろしい者から逃げるように、ただ走っていた
その少女の後ろからは、持ち主のない声が響くように聞こえた
「ミンナツレテク」
外に逃げたくても、外にはこの世の者ではない者が沢山いた
「ミンナツレテク」
持ち主のない声はいくら逃げても聞こえる
少女はすでに悟っていた、この廊下は永遠に続くんだと…
現に窓は常に同じ景色を映していたから…
しかし止まればいないはずの声の持ち主に殺される
少女は確信していた
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