丑三つ時の列車

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「徐霊」 ある女性に憑かれたと名乗る女性が月島兼子の所を訪ねてきたのは暑い日の事であった。彼女の徐霊はインチキでしかない。ただ彼女の美しい身体を見せての露骨な大人の女性を見せた、いわゆる性的な徐霊は男性に人気があり、いわゆる風俗に変わらないやり方でも高額の徐霊費用も文句はいわない。彼女は男性中心で女性は徐霊はしない。 そういっても彼女は絶対先生にと譲らない。彼女は兼子をじっとみて、ねえ先生。生き霊は祓えますか。と訪ねた。 私の主人に悪い虫がつきましたの。その虫が生き霊になって私を苦しめますの。 ええ、あの人田邊の家内ですわ。 そして生き霊は先生。そう言うと彼女はにやりと笑った。田邊は別れた彼氏だ。 不倫だった。奥さんも知っている。 彼女に兼子は憎悪の表情を浮かべた。 三日後田邊の妻は首を吊って死んだ。 まるで何かに怯えているようだった。 しばらくし、兼子は首が苦しくなって飛び起きて、 彼女がいた。 「あなたもいらして」
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