2007年、夏まつり

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(見たらわかるだろ) それでなくても不機嫌なのだ。 心の叫びを押し殺し、目の前を取り囲むガラの悪い男達に冷酷な目を向ける。 「おぉ、こわっ」 わざとらしい声をあげる男に片眉がピクッと引きつった。 「どいてください。」 男の間を通り抜けようとすると、ガシッと腕をつかまれる。 「触らないで!」 取り乱すように思い切り手を振りほどき、震える腕を撫でるようにさすった。 「この・・・」 ドスの聞いた低い声が耳に届く。 (やば・・・) 「ごめんなさい!」 謝って許してもらえるはずもなく 「待て!」 と素早追われるが、待つはずもなく必死に逃げる。 浴衣の裾が引っ掛かり、うまく走れなかった。 「ぅおい!」 面白がるような男の声と同時にさっきの倍の力で、石段の手前で再び腕を掴まれる。 ただの汗か冷や汗かわからない汗が背中に流れ落ちるのを感じた。
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