少女、時を越えて

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「違うのに!!」 グッショリと汗をかき、目がさめた。 (嫌な夢・・・) 「・・・ん?」 「・・・あれ?」 キョロキョロと見回し、自分の置かれている状況に首を傾げる。 確か、石段から落ちたはずだった・・・よね? 昨日の浴衣のままだし、間違いはないのだけれど・・・ 「ここ・・・どこ?」 慌てて布団から飛び起きた。 どう見ても自分の家ではない。 掛け軸なんて飾ってあるし・・・きっと由緒正しきお家なんだろう・・・ 京都だし。 引越してきて半年、この街にはまだ馴染めないでいる。 言葉も違うし・・・ 言葉が違うし・・・ 言葉は違うし・・・ 外国でもないのに言葉の壁に阻まれてる。 「はぁ~~」 昨日の事を思い出し、深いため息をつくと カタンーー 廊下から物音が聞こえ、肩を竦めて襖に目を向けた。 .
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