1波

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「もしもし、親父?」 夕青が親子喧嘩にケリをつける間に、里海は部屋の掃除を始めた。 今はまだ掃除機とかはないが、雑巾なんかで窓を拭き、換気をする。 キッチンに入ると、ガスコンロの汚れも見落とさずにピカピカに磨き上げる。 壁についた染みに取り掛かろうとしたとき、夕青の声がやけにハッキリと聞こえた。 「あー、うん。俺、しばらくこっちに住むから。え?家帰んない。ハハッ!大丈夫だって!おぅ、じゃぁな。」 …‥今、なんつった、この男?? 私の聞き間違いじゃなければ―――
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