3835人が本棚に入れています
本棚に追加
「あ、今の電話さぁ‥‥」
「ん?あぁ、アンタの言うとおり、親父にしっかり断り入れたぜ!」
ちょっ!
仲直りは良いけど、そのあとの台詞が…‥
「家、帰らない…‥の?」
もう、さっきのは幻聴であって欲しい。
明日は耳鼻科行きますから!!
どうか神様、嘘だと言って!!
里海は心うちで切実に叫ぶが、彼はズバンッと彼女の祈りを断ち切った。
「あぁ。家からしばらく離れるっつったんだ。」
なんで?!
ボロいって文句言ってたじゃん!!
お金持ちの坊っちゃんがこんな掘っ建て小屋だかバラックだかわかんない場所で生活しちゃいけません!!
「別にここじゃなくても、マンションとか、もっといいところがあるじゃない…‥?」
言葉を濁しながら出ていって欲しいと伝えるが、彼は断固として譲らない。
「アンタ、俺を追い出す気?城戸の息子にデカイ口たたくじゃねぇか。」
こういうときに権力乱用はズルい。
何も言い返せなくなった里海に、夕青は軍事国家の皇帝のごとく命令した。
「俺様には逆らうな。痛い目見たくなかったらな。そこらの女一人の人生、簡単に変えられるぜ?」
さ、最低だこの人―――!!
最初のコメントを投稿しよう!