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親孝行ものの里海は貯金が趣味という変わった女の子だったのだ。
里海は最後の掛け、とばかりに店の奥に座るご老人に話し掛けた。
「すいませーん。」
店主であるお爺さんは眼鏡をかけ、はい、なんでしょうと優しい笑みを浮かべてこちらに歩み寄る。
「ここで一番安い部屋、いくらですか?」
もう、条件なんてなんでも構わない。
野宿にならないなら耐えられる、と欲のない里海は思った。
「あぁ、はいはい、こちらです。」
どこからか取り出されたファイルを開き、指を差した。
そこに掲示されていた家賃額に、里海は目を丸くする。
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